前回、「ソーシャルレンディング」または「クラウドファンディング」と呼ばれる、「貸付型」の投資について拙文をしたためた。
実際、私はタイトルにある「maneo」に口座を開き、出資していた。
今現在、度重なる返済遅延が発生のため、maneoは休眠状態だ。集団訴訟も起こっている。
なお、新規の口座開設は停止されている。ご存じの方も少なからず居られるだろう。
私自身は、危うく難を逃れた形だ。損失は被っていない。
いったい何がmaneoに起こったのか。
maneoに出資していた私が経験したことを、拙文ではあるが著す。
何かの形で残しておくことは意味があると思う。
「マネオマーケット株式会社に関する集団訴訟」でググっていただきたい。
損失を被った出資者たちの怨嗟や怒りのコメントが読める。
誠にお気の毒で、何となく目を背けたくなってしまう。
だが、私と同じ個人投資家、これから投資を始める方々は、是非とも目を通してほしい。
これも投資の現実の一面だからだ。私も含め、「他山の石」とされたい。
maneoで投資を始めた時、出資する際の条件として以下のルールを設けた。
- 償還期間は1年以内に限る
- 利率が年利8%以上の案件には投資しない
- 担保の有無も考慮しつつ、低利の案件には資金を多く、高利は少なく
私はこの3項を、maneoから手を引くまで徹底して守った。
例えばある案件で、年利が5%、償還期間が6ヶ月の案件があったとする。
私にとってはこの辺りが最も「美味しい案件」だった。
また、年利3%、償還期間3ヶ月なんて場合は、レバレッジを掛ける意味で、少し多めの金額を出資した。
金利が7%以上なら、逆に資金を絞る。償還期間が1年以上なら、たとえ金利が低くても見送った。
このルールで出資を続け、諸々引かれた後の私の運用益は年利3%程度だった。
利益が低いと思いますか?
さらに利益拡大を狙うなら、より大きいリスクも許容しなければならない。
それは嫌だった。
だから少しづつ運用資金を増やし、レバレッジ効果で配当額を増やしていく戦略をとった。
儲けた配当も資金に充て、4年程は実に満足のいく成績だった。
ところがmaneoが提示する案件が様変わりしてきた。
私にとっては、金利が高すぎ、償還期間も1年以上の案件が増えていったのだ。
許容できるリスクの範囲を超えてしまっている。
私は自分のルールを変更すべきか悩んだが、曲げなかった。
私が出資できる案件はどんどん減っていった。
これは「投資の機会損失」と呼ばれる。運用資金を遊ばせておくのは勿体ないのだ。
そのころの私は「株式投資」も始めていた。
maneoで遊んでいる資金の何割かを、証券会社の口座に移すことにした。
私は徐々にmaneoから距離を置くことになってしまった。
2019年1月早々からmaneoに不穏な兆候が表れる。
返済の延滞が発生する。
事業者U社に対する不動産担保付きのローンだった。
驚くかもしれないが、会社は匿名であることが少なからずあった。
担保の不動産はU社の親会社が所有している。
親会社は借り換えと、不動産売却を試みたようだ。
しかし、手を差し伸べてくれる金融機関はなく、担保不動産も売れなかったのだろう。
maneoは担保不動産を競売に賭けたようだが、売却できたのか確認できない。
以後こんな話がゴロゴロ出てくる。
ある事業者は不動産売買のため、その不動産を担保に資金を調達したものの、契約成立できず、返済を焦げ付かせた。
またある事業者は、賃貸収入を目的に不動産を取得し、その賃料から分配金を支払い、償還期限までに売却をする計画を立て、資金を調達した。
だが思うように店子は現れず、断念して不動産を売ろうにも売れなかったようだ。
結局、弁護士を通じ破産申請を申し立てた。
さらに泥沼化する。
返済遅延をしていたGIL社は、EF社から資金を調達したものの、それを返済に充てず、JCS社に不当に送金していた事実が発覚した。ちなみにEF社もmaneoから資金を調達している。
2021年maneoはGIL社に債権者破産申請を申し立てた。
私は債権者が債務者の破産申請をできるのを初めて知った。
もちろん遅延案件の中には、無事資金を回収できたものもある。
コロナ禍の影響も少なからずある。
金額は少なかったが、まだ継続中の案件が残っていた私は、煮られる思い出で償還の日を待った。
果たして、元本の損失は免れた。
私はなぜ助かったのか。
運用法が良かったのか、ただ運が良かっただけなのか、今でも判らない。
この惨憺たる有様を直視するのはとても辛い。
しかし素人投資家と雖も、ここから何かを学び取らなくてはと思う。
まず私が強烈に感じたのは、遅延案件のほとんどに、担保も含め不動産が絡んでいる。
maneoはプロの金融業者だが、かかる不動産の本当の価値を計れていなかったのではないか?
また不動産はすぐに売却できない。立地によっては買い手がなかなか見つからない場合もある。
と言うことは、「不動産担保付き」だからと言って全く安心できないわけだ。
私は「担保が付いているなら比較的安心」ぐらいにしか考えていなかった。これには大いに反省している。
不動産取引や不動産運用はその筋のプロでも時に見誤る。そのリスクは莫大だ。
「ソーシャルレンディング」、「クラウドファンディング」は敢えて言い換えれば、「高利貸し」だ。
「高利貸し」に頼らざるを得ない債務者は、それなりの事情を抱えいる。
「ソーシャルレンディング」、「クラウドファンディング」をググる。
沢山の業者があなたを勧誘してくる。なかには興味が湧く方もいらっしゃるだろう。かつての私のように。
私は止もしなければ、勧めもしない。
私がダラダラと綴った拙稿が、あなたにとってより良い選択を導き出せる一助になれば、幸いだ。
長くなってしまった。お付き合い頂きありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿